「iPhone 3G」がソフトバンクの首を絞める時
2008/08/01 Fri [Edit]
2008/7/25と少々古い記事ですが、自分なりに話をまとめると、
総務省の「通信プラットフォーム研究会」では、携帯電話の市場を「端末レイヤー」「物理網レイヤー」「通信サービス・レイヤー」「プラットフォーム・レイヤー」「コンテンツ・アプリケーション・レイヤー」の5層に分けている。
iPhoneのビジネスモデルで考えると、
「端末レイヤー」 apple(iPhone)
「物理網レイヤー」 ソフトバンクモバイル(インフラ)
「通信サービス・レイヤー」 ソフトバンクモバイル(音声サービスなど)
「プラットフォーム・レイヤー」 apple(AppStore)
「コンテンツ・アプリケーション・レイヤー」
インフラとなる「物理網レイヤー」と音声サービスなどを提供する「通信サービス・レイヤー」の2つだけだったら、ソフトバンクモバイルはアップルに通信機能を提供するだけの“土管”でしかない。
ただ、グループ全体で考えると、単なる土管にとどまらない。それは最上位の「コンテンツ・アプリケーション・レイヤー」のプレーヤーとして、ヤフー(日本法人)を抱えているからだ。
「端末レイヤー」 apple(iPhone)
「物理網レイヤー」 ソフトバンク(インフラ)
「通信サービス・レイヤー」 ソフトバンクモバイル(音声サービスなど)
「プラットフォーム・レイヤー」 apple(AppStore)
「コンテンツ・アプリケーション・レイヤー」 ヤフー日本法人(Yahoo!Japan)
つまりソフトバンク・グループという枠組みで捉えると、通信料収入を得られる「物理網レイヤー」「通信サービス・レイヤー」を提供し、さらにユーザーに最も近い「コンテンツ・アプリケーション・レイヤー」をヤフーが提供するというレイヤーの両端を押さえる体制を築いている。これらの“間”にアップルが入り込もうが、はたまた米グーグルが入ってこようが、基本的にどのようなプレーヤーが入り込んでも同社は勝負できる。
今後、iPhone 3Gだけでなく同種のデータ通信を中心とした端末の普及が予想され、データARPUの増加という果実は手にできるかもしれない。
だが、それこそがソフトバンクモバイルにとって落とし穴となる可能性があるのだ。
iPhone 3G発売前日の7月10日、ソフトバンクモバイルの松本徹三副社長兼CSO(最高戦略責任者)は、都内で開催された講演で次のようなネットワークの将来像を披露した。「iPhoneのようなインターネット端末が増えると、現在の数10倍のデータ・トラフィックを扱わなければならない。だがこれを今の携帯電話のネットワークで扱うのは無理」という。
そこで松本副社長が示したのが携帯電話だけでなく、無線LANなど多様な通信手段を組み合わせたネットワークの将来像である。果たして同社がどのようなネットワークを構築していくのか。ネットワークが貧弱になれば、それはユーザーの不満となって跳ね返ってくる。iPhone 3Gは同社にとって諸刃の剣に成りかねないのだ。
「無線LANなど多様な通信手段を組み合わせたネットワーク」
少なくとも都心部では、3G網でなく、無線LANだけでほとんど事足りてしまう、
ようなそんな環境を期待したいですね。
そもそも3Gと無線LANではスピードが違いますから。
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